物が二重に見える

こんな症状はありませんか？

物が二重に見えるという症状は、複視と呼ばれます。複視には両眼性複視と単眼性複視の2種類があり、前者では両目で物を見ると二重に見えますが、片目を隠して物を見るとその症状が収まり、はっきりと見えるようになります。これに対して後者の場合は両目で見ても、片目を隠してみても、複視の症状が続きます。

• 物が重なって見える
• 1つの物が分裂して見える
• 視線を一点に集中させるのが困難
• 物体の輪郭がぼやけて、ぶれて見える
• 片目を閉じると正常に見えるが、両目を開けると複視が発生する
• 疲れやストレス、特定の体位で複視が悪化する　など

物が二重に見える場合に疑われる病気

複視の原因には眼精疲労や老眼、乱視、斜視などが挙げられますが、両眼性複視であっても、単眼性複視であっても、以下で挙げるような失明に繋がる病気、命に関わるような病気が隠れている可能性もあります。
特に大人になってからの斜視（後天性斜視）には脳に関わる重篤な病気の可能性が考えられます。そのため、複視の症状が現れた場合は、できるだけ早い段階で眼科を受診するようにしましょう。

両眼性複視の原因となる病気

甲状腺眼症

甲状腺に関連する病気で、眼球周りの脂肪や目を動かすための筋肉に炎症が起こり、まぶたが腫れたり、眼球が前に出てきたりといった症状に加えて、複視が現れる場合があります。甲状腺の原疾患が悪化すると不整脈や心不全などを引き起こす可能性があります。

脳梗塞

脳の血管が突然詰まることで、脳の神経細胞に障害が起きる病気です。この際、眼球運動を司る脳の細胞にトラブルが生じると、複視を生じることがあります。重大な神経麻痺や死に繋がる重篤な病気です。

脳動脈瘤

脳にある動脈に発生する膨らみを脳動脈瘤と言います。膨らみが脳神経を圧迫することで複視が起きる場合がありますが、これは動脈破裂の兆候の可能性があるため、できるだけ早い段階での適切な検査が必要です。

脳腫瘍

脳腫瘍とは頭蓋骨の中にできる腫瘍です。この腫瘍が眼球を動かす脳の神経などに干渉すると、複視が現れることがあります。放置すると頭痛の悪化、めまい、痺れ、嘔吐など様々な症状が悪化していくだけでなく命にかかわりますので、早期発見・早期治療が重要です。

重症筋無力症

筋肉が疲れやすくなり、力が入らなくなる病気です。眼球を動かす筋肉の力が落ちてくると複視が起こり、まぶたを引き上げる筋肉に障害が起きると眼瞼下垂が見られるようになります。

屈折性斜視

遠視等の屈折異常で斜視がおこり、複視の原因となることがあります。

単眼性複視の原因となる病気

白内障

水晶体が白く濁る病気です。眼球内に取り込まれた光が濁りの部分を通ると、症状が出ていない透明な部分を通る光とは別方向に屈折します。すると網膜の別の場所で像を結ぶため、複視が起こる場合があります。放置すると失明の危険があります。

物が二重に見える場合の検査

物が二重に見える場合は眼科での問診や検査を通じて、眼精疲労、老眼、乱視そして斜視など、どこに原因があるのかを探っていきます。

みよし眼科では、物が二重に見える場合に行う各種検査に対応しています。また脳梗塞や脳動脈瘤など、目以外に原因があると思われる場合は、迅速に基幹病院と連携をとり、MRIやCTなどの精密検査を受けていただくことが可能です。

複視には一刻を争う病気が隠れている場合がありますので、我慢をしたり、後回しにしたりせず、できるだけ早く当クリニックまでご相談ください。